第84回日本矯正歯科学会学術大会に参加しました!

9/28〜10/1の三日間札幌コンベンションセンターにて、北海道大学の主管のもと第84回日本矯正歯科学会学術大会が開催されました。

今回は、”繋ぐ未来ーコラボレーションの力(Connecting FuturesーThe Power of Collaboration)"をメインテーマに掲げ発表がありました。本年は当学会が設立されてから99年にあたり、来年はいよいよ創立100周年を迎えます。札幌での開催は6回目だそうです。

札幌コンベンションセンター 札幌コンベンションセンターは千歳空港から約1時間、札幌駅からは約20分の場所にあり国際会議や展示会、イベントが開催される総合型コンベンションセンターです。

国内外の著名な先生方の特別講演、セミナー、シンポジウム、学術展示、症例展示、業者展示など 3日間にわたり開催されました。
身近な話題として、 ☆唾液から探る歯科疾患予防 ☆味覚と唾液 ☆矯正治療の意義を口腔局所から全身へ のタイトルで3名の准教授、教授のご講演がありました。
唾液は咀嚼・嚥下・発話などの口腔機能を支えると同時に、口腔内環境の恒常性維持において重要な役割を果たしています。緩衝作用、抗菌作用、再石灰化促進作用、自浄作用など多様な生理機能を有し、う蝕および歯周病の発症および進行の抑制に寄与しています。
唾液の分泌量が減ると虫歯・歯周病のリスクが上昇するのはそのためです。 矯正治療中の患者においては矯正装置の装着により、唾液量の少ない患者では矯正治療中の歯科疾患のリスクがさらに高まることから、唾液の状態を把握し、それに応じた予防対策を講じる必要があります。

神奈川歯科大学 環境病理学教授の槻木 恵一教授のお話では、 唾液の成分は口腔疾患の原因菌のみと戦っているのではなく、当然ではありますが粘膜を通して感染する細菌やウイルスも異物と認識して排除します。(唾液中の抗菌、抗ウイルス作用)
つまり、風邪などの上気道感染症から身体を守っているのです。
口は乾燥が大敵‼︎ お口ポカンは良くない事が理解できますね。 感染症の90%は粘膜からだそうです。
その際、重要となるのが唾液中に含まれるIgA(免疫グロブリンA)です。
IgAは粘膜免疫における歩兵のような存在で、最前線で病原体を迎え撃ちます。 IGA抗体は異物にくっついて粘膜への付着を防ぎます。(感染予防)

☆IgAの作用とは 免疫グロブリンは、特定の抗原が結合する「可変部」と、いろいろな細胞が結合する「定常部」の2つに大きく分けることができます。 可変部はその名の通り臨機応変に作り変えることが可能な部分で、外の状況に応じて最善といえる形に変化します。 定常部は常に同じ形をしており、主に免疫細胞と結合してさまざまな免疫作用をもたらします。
ちなみに、IgA抗体の定常部の一部である「Fc領域」には連鎖球菌が結合しやすくなっており、抗原非特異的結合によって細菌を凝集させることが可能です。 その結果、ミュータンス“連鎖球菌”などの歯面への付着が阻害されます。
歯周病原細菌の増加により、抗原特異的IgAが増加する現象も口腔疾患の予防に寄与しているといえるでしょう。
さらに、IgA量が多い方が舌苔の堆積が軽度で、IgAが減少すると上気道感染症のリスクが増加するなど、全身との連関も明白になっています。 最近の研究では、多様な抗原を認識する「poly-reactive IgA抗体」の存在が示唆されています。
☆腸と唾液腺との相関 唾液腺から口腔、そして全身への影響についてですが、 「腸」は免疫細胞の7割が集中する臓器だそうです。 免疫の要とも呼ばれる臓器であり、口腔と同じ「粘膜免疫」によって外敵からの侵入を防いでいます。

☆IGA抗体を増やすには?(腸ー唾液腺相関) どのような物質が腸管で作用して、唾液中IgA分泌を促すのか?それがわかれば、より効率良く唾液中IgAを増やすことが可能となります。 ひとつは「プロバイオティクス」という観点から、乳酸菌などを摂取することで、腸内細菌叢のバランスが改善され、IgAの増加、粘膜免疫の亢進が見込めることがわかっています。
槻木教授の研究グループによりますと、ヨーグルトの継続摂取により、唾液中の「IgA」が増加し、インフルエンザに対する抵抗力が増すことが判明したようです。 この要因として腸内細菌叢のバランスが改善され、乳酸 そしてもうひとつ重要なのが「プレバイオティクス」という観点です。 食物繊維や難消化性でんぷんなどを摂取すると、大腸で「短鎖脂肪酸」が増えて、唾液腺でのIgAも増加することがわかっています。

酢酸や酪酸、プロピオン酸などに代表される短鎖脂肪酸は、大腸粘膜組織から吸収されて、上皮細胞の増殖や粘液の分泌に利用される物質であり、その一環として唾液中IgAが増加するものと思われます。