当院では、鼻が通っていますか?鼻で呼吸できていますか?口呼吸ではありませんか?とご質問することがあります。
歯並びを治療する矯正歯科でなぜ鼻のことを?一見、関係ないようにみえる鼻と口ですが密接な関係があります。

前回に引き続き、黄川田徹先生の「こんなに怖い鼻づまり! 睡眠障害・いびきの原因は鼻にあり」より、鼻づまりのことについてお話ししようと思います。

鼻づまりを起こす病気は、以下のようなものが挙げられます。

+アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は世界規模で増加しており、成人の20〜30パーセント、小児においては40パーセントに達するとされています。
患者の約半数は、1年のうち4ヵ月以上にわたって鼻づまりなどの症状がある慢性の鼻炎です(慢性のアレルギー性鼻炎はこれまで「通年性鼻炎」と呼ばれていましたが、最近では「持続性鼻炎」という名称が用いられています。)

 

+非アレルギー性鼻炎
・ウイルスや細菌感染に伴う「感染性鼻炎」
・喘息や副鼻腔炎を合併することの多い「好酸球増多性アレルギー性鼻炎」
・空気中の刺激物質や毒素などによる「刺激性毒物性(職業性)鼻炎」
・点鼻薬や非ステロイド系の抗炎症薬などによる「薬剤誘発性鼻炎」
・甲状腺機能低下症や妊娠中にしばしば合併する「ホルモン性鼻炎」
・原因のはっきりしない「特発性鼻炎」(過去の名称は「血管運動性鼻炎」)
などが含まれています。いずれも主な症状は鼻づまりです。
最近の調査では、アレルギー性鼻炎が45パーセントであるのに対して、非アレルギー性鼻炎も25パーセントと、鼻炎患者総数に対する非アレルギー性鼻炎の占める割合が、これまで考えられていた以上に多いことが指摘されています。

 

+副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔とは、顔面の骨の中に形成された空洞です。上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞と呼ばれる、左右それぞれに4対、合計8個の空洞に大きく分類されています。このうち篩骨洞は、蜂の巣のような小さな空洞(蜂巣)が集合した複雑な構造をしていますが、これらの蜂巣を含め、すべての空洞が「換気排泄路」と呼ばれる狭い開口部を介して鼻腔と交通しているのが、副鼻腔の構造上の最大の特徴です【副鼻腔と換気排泄路】。


副鼻腔炎とは、この副鼻腔に炎症が起こった状態で、そのうち副鼻腔内に膿がたまったものを俗に「蓄膿症」と言います。
この副鼻腔炎も、鼻づまりを引き起こす原因の一つに挙げられます。症状が継続する長さにより、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分けられます。

 

+鼻中隔湾曲症
鼻中隔は、鼻腔を左右に分けている壁のことです。正中にまっすぐ位置していることはむしろまれで、多くの人では左右どちらかにいくらか曲がっています。【鼻中隔湾曲症のCT所見】


湾曲の程度と部位によって、湾曲の凸面となる側の通気性が低下し、「鼻づまり感」をきたします。ここであえて「鼻づまり感」としたのは、鼻中隔湾曲症だけでは、口呼吸を起こすほどの鼻づまりをきたすことがないからです。
鼻中隔湾曲症は、古くより鼻づまりを起こす代表的疾患の1つとされており、また手術によって鼻づまりを改善させることができるとされていますが、この点においても私の考えは、従来の治療概念とは異なります。
言い換えると、口呼吸をきたすような鼻づまりがある場合は、たとえ鼻中隔の湾曲がある場合でも、湾曲の凹面側に通気性を妨げる何か他の異常が必ず合併しており、これに気付かずに鼻中隔手術を行っても、鼻づまりは完全には改善しないということです。
鼻中隔湾曲症がある例において、時間帯や体位などで変動する鼻づまり、継続的な鼻づまり、あるいは日中や睡眠中の口呼吸などを主訴とする場合は、次のことが考えられます。
第1は、あまり慢性鼻炎の合併です。日中の鼻づまりがあまり自覚されない場合でも、睡眠中のいびき、起床時の口の渇き、あるいは繰り返す発作性のくしゃみや鼻水がある場合は、慢性鼻炎の存在が強く疑われます。
第2は、彎曲の凹側に面した広い鼻腔に、局所性の鼻腔粘膜の腫れ、鼻甲介の過剰な形成、副鼻腔由来のポリープなど、鼻の通気性を妨げる何らかの異常がある場合です。

 

+その他の原因

●アデノイド
アデノイドは、のどの奥に形成される扁桃組織で3~5歳前後に最大となり、以後は徐々に縮小します。過度に大きくなると、両側の鼻腔の通気性を妨げて、鼻づまりをきたします【肥大したアデノイドの内視鏡所見】。

鼻づまりを起こす病気も実に様々です。次回の最終回は、鼻づまりによっておこる弊害についてお話しようと思います。
(黄川田徹先生の「こんなに怖い鼻づまり! 睡眠障害・いびきの原因は鼻にあり」より引用させて頂きました。)

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