6/12日本橋・KABUTO ONEにて、第33回日本成人矯正歯科学会学術大会に参加しました。
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今回は、”今求められている矯正治療とは?治療の質向上を目指して”をテーマとして国内外の著名な先生方のご講演を拝聴することが出来ました。
また、様々な症例展示、ポスター展示も見ることができ、大変勉強になりました。
成人の矯正治療を取り巻く環境は、デジタル技術や人工知能(AI)の急速な進展、マウスピース型矯正装置の普及など新たな状況にあります。このような環境の中で、患者様が質の高い矯正治療を受けられるように知識と技術の自己研鑽に励みたいと思います。
私たち矯正医が目指す治療の目的は、正常咬合の確立、口腔機能の改善、審美的改善です。
東北大学名誉教授である三谷英夫先生の講演では、咬合咀嚼機能の改善では口腔領域にのみならず、肩から上部の頸・頭部を含めた全ての骨格構造とその経時的変化及び軟組織機能のバイオメカニカルな条件が関わること、頭部・頸部の骨格構造や筋機能が咬合器官にどのように関わっているかについてのお話でした。
当院でも行っているMFT(口腔筋機能療法)が重要であることを再認識しました。
また、AIは医療をはじめとする多くの分野で急速に実用化が進展しており、矯正歯科においても大きな変化をもたらしています。
矯正歯科における具体的な応用例としては、当院でも取り入れている口腔内スキャンデータから歯冠部分を抽出するセグメーション技術が挙げられます。
アライナー(マウスピース型矯正装置)やデジタルセットアップなどにおいては必須のこの工程は、AIを導入することで従来の手作業に比べて大幅に効率化されました。
CT画像から骨や歯牙を抽出し診断用の3次元モデルを構築する技術により、大幅な時間とコストの削減が可能になりました。
これらの技術的進歩により、より正確で、迅速な診断環境が整いつつあります。
インスタグラムにも記事を上げていますので、ぜひご覧ください。